金唐革紙の製作工程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/11 04:27 UTC 版)
「合紙」 手すき楮紙と三椏紙を合紙して、原紙を作成する。 「箔押し」 原紙に、金・銀・錫箔などの金属箔を押す。 「打ち込み」 文様が彫刻された版木(桜材)に、水で湿らせた原紙をあて、紙の裏より豚毛の強靭な刷毛で丹念に打ち込み、凹凸文様を出す。 「ワニス塗り」 錫箔の場合のみ、天然ワニスを塗って金色を出す。 「彩色」 漆・油絵具等で、丁寧に手塗り彩色をする。種類によってはシルクスクリーンで彩色したり、紙やすりでやすりがけをして古色をつける。 この製作技術は大変難しく長い経験を要する。現在は版木製作以外の全ての工程を同一人物が行うので、一日に刷毛で打ち込む事6時間以上という体力と、箔押し・精緻な彩色という、手先の器用さも必要となる。版木は明治・大正期に製作されたものを用いる場合が多いが、旧来の金唐革紙よりデザインをおこし新しく版木を製作する場合もある。 現在製作されてきた金唐革紙は全て旧製品のデザインによる「復元製品」で、新しいデザインによるオリジナル作品の製作は需要が無くて今まで行われていない。
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