配列特異的DNA結合タンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:02 UTC 版)
「DNA結合タンパク質」の記事における「配列特異的DNA結合タンパク質」の解説
対照的に、その他のタンパク質は特定のDNA配列に結合するように進化した。このうち、最も集中的に研究されているのが多種多様な転写因子である。各種転写因子は、特定のDNA配列のセットに結合し、その配列を有する遺伝子の転写を活性化または阻害する。このプロセスには2通りあり、第一の方法は、直接または他の調節タンパク質を介してRNAポリメラーゼに結合し、そのポリメラーゼがプロモーターに配置されることで転写を開始させる。あるいは第二の方法として、転写因子は、ヒストンを修飾する酵素にプロモーターで結合する。これにより、DNAのポリメラーゼへの結合の容易さが変わる。 転写因子は標的DNAをゲノム全体から取ることが可能であり、ある種の転写因子の活性の変化は何千もの遺伝子に影響を与える可能性がある。したがって、このようなタンパク質は多くの場合、環境の変化または細胞の分化と発達に対する応答を制御するためのシグナル伝達プロセスにおいて調節を受ける。これらの転写因子のDNAとの特異性は、タンパク質がDNA塩基の末端に複数の相互作用をすることによりもたらされ、この相互作用のほとんどは、塩基に対して最もアクセスしやすい主溝で行われる。配列特異性を考慮したタンパク質-DNA結合、および異なるタイプのタンパク質の競合的および協調的結合の数学的記述は通常、 格子モデルによって行われている。ポストゲノム時代の豊富な配列データの活用による、DNA配列の結合特異性を特定する計算方法が提案されている。
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