邪馬台国に関する仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 21:21 UTC 版)
邪馬台国や古代史問題について次のような仮説を展開している。 日本神話は実際の歴史上の出来事が伝承として伝わったものである。 トロイ戦争など神話だと思われていたことが実際の出来事に基づいている例は多い。 高天原は邪馬台国で天照大神は卑弥呼である。 天の岩屋戸の伝承は卑弥呼の死と台与の相続を暗示したものである。 記紀では高天原は九州にあったとされるため邪馬台国は九州である。 神武天皇の東征などは基本的に事実を基にしているはずである。 欠史八代の天皇など、架空とされた天皇は実在する。 天皇の在位年数は、時代を遡るにつれて短くなる傾向がある。多くの天皇が実在しないと仮定するよりも、記紀に書いてあるとおり実在し、その在位年数が信じられないと仮定したほうが、矛盾が少ない。 平均10年の在位で計算すると欠史八代の天皇の前が神話の時代に相当し、卑弥呼の時代が天照大神に相当する。 数理文献学的分析によると古代の王の在位の平均は約10年である。記紀では欠史八代を直系相続としているが、実際は兄弟相続だった可能性もあり不自然ではないとする。 これらの仮説から次のように考えることができる。 卑弥呼と天照大神は同一視できる。『魏志倭人伝』のなかの地名との類似から邪馬台国九州説が有力である。文献によると邪馬台国には28万人もの人がいたとあり、そこから類推し、邪馬台国はいくつかの国の総合名称であり、吉野ヶ里遺跡は女王の支配国の一つであったと考える。つまり、卑弥呼の宮殿は筑後川の上流にあり、流域すべてが邪馬台国ではないかという説である(『歴史街道』1989年6月号)。 以下がその概要である。
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