遺族および負傷者への支援
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「遺族および負傷者への支援」の解説
千日デパートビル火災で働き手を亡くした遺族や負傷者を金銭的に支援しようとする動きが世間一般で見られ、その総額は1,000万円を超えた。火災発生の翌日、デパートビル正面入口脇に花が手向けられた後に慰霊用の祭壇が設置されたが、その傍らにはいつしか「善意の箱」と名付けられた募金箱が白い布を被せた机の上に置かれていた。箱を設置した人の素性は「堺市の大工」だと本人が明かしたことで一応は判明したが、氏名までは名乗らずに立ち去った。犠牲者の霊に手を合わせる人や道行く人たちが「善意の箱」に寄付した。その合計は5月末で283万円余となった。しかしながら「善意の箱」は、警察の警備が解かれる5月末に合わせて撤去されることになった。引き続き「箱」の設置を望む声は多かったが、被災テナントで結成された「千日デパート罹災業者復興対策委員会」が「箱の管理が行き届かない恐れがある」として撤去を決め、寄付金を小切手に変えて大阪府警・南署で保管することになった。2週間程度で300万円近い寄付が任意に設置された募金箱に集まるのは珍しいケースだとされた。 「善意の箱」の他にも、一般市民や企業、全国のホステスらから「千日デパート被災者対策合同本部」、大阪市、新聞社などに寄付金が届けられており、その総額は「箱」と合わせて1,071万6,000円に達した。全国のホステスらは同僚との連名で寄付しているケースが多く、なかには少しでも金額を増やそうと街頭募金まで行ったグループもあった。遺族への分配は、1遺族につき一律6万2000円とし、18歳未満の遺児がいる遺族の場合は、1人につき3万円を上乗せするとした(対象の遺児は103人)。負傷者に対する分配金は、退院の見込みがない重症者には5万円、その他の入院患者には1万円、通院する負傷者には5,000円の分配とした。余剰金4万8000余円については、以降も寄せられる分と合わせて分配するとした。寄付金は「四十九日」にあたる6月29日に遺族へ届けられた。 大阪市は、遺族や被災者に対して弔慰金または見舞金を贈った。死者1人につき1万円、重症者に5,000円、軽症者に3,000円とした。
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