道頓堀五座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 03:54 UTC 版)
戎橋南詰から東側にかつて存在した浪花座・中座・角座・朝日座・弁天座の五つの劇場のことで、1653年(承応2年)に芝居名代5株が公認されたことに始まる。「五つ櫓」とも言う。道頓堀を代表する劇場群で、近代に至るまで、歌舞伎や仁輪加(軽演劇)、人形浄瑠璃などが賑々しく興行された。そして若衆茶屋といわれる陰間(少年)たちが男色を売る茶屋も集まっていた。 昭和初期までにこれらの劇場はすべて松竹の経営に移り、一部は映画館に転向した。第二次世界大戦後、朝日座が東映に売却され大阪東映劇場(後に道頓堀東映と改称)となる。弁天座は文楽座と改称され、人形浄瑠璃の常打劇場となるが、やがて人形浄瑠璃は松竹の手を離れ、朝日座と改称。角座は演芸場に転換、演芸ブームで隆盛を誇ったが、漫才ブーム終了後に失速。いずれも昭和末期に閉鎖された。 平成に入りバブル崩壊を受け、松竹は残った中座(松竹新喜劇の本拠地)、浪花座(松竹芸能の本拠地)を相次いで閉鎖し、映画館の入った商業ビルとして復活していた角座も含めてことごとく敷地を売却。ここに、道頓堀五座は事実上一旦消滅した。なお、中座解体途中に爆発事故を起こして建物は崩壊し、中座の南側にある法善寺横丁が大打撃を受けた。現在商業演劇や歌舞伎の定期公演などは大阪松竹座で行われているが、道頓堀五座とは別個の劇場である。 2013年(平成25年)7月28日、松竹芸能が角座跡地の所有者であるケンズネットワークスから賃借する形で、お笑い劇場「DAIHATSU MOVE 松竹芸能 道頓堀角座」を開場。五つ櫓の一つである角座が復活した。
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