道頓堀・奉公編
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千代は芝居茶屋「岡安」に上がり、仕事に厳しい女将の岡田シズの元で忙しく働き始める。また、人気喜劇団「天海天海一座」の座長・天海天海の息子・一平と知り合い、お遣い先で初めて演劇と女優・高城百合子を覗き見て魅了される。そんななか天海が急逝。同時期、千代は実家が夜逃げしたことを知る。千代は一平と悲嘆し、重要なお遣いに遅れ、シズからクビを言い渡される。翌朝、ひとり岡安を出て当てもなく彷徨う千代だったが、先代女将のハナに発見される。彼女の説得や舞台に立つ一平を見て、自分の居場所が岡安しかないと覚悟を決め、シズに必死に頭を下げる。シズに許された千代は、正式に岡安の「おちょやん」に認められる。それから8年の月日が流れる。 大正13年(1924年)秋、翌年に数え年18歳になるとともに年季奉公が明ける千代は、シズから年季明け後の進路についてよく考えるよう命じられ、模索しながら仕事するなか、逃亡中の百合子と出会い、岡安に匿うこととなる。所属事務所から活動女優への転換を迫られ引退を視野に入れていた百合子だったが、千代や岡安の人々と接するうちに考えが変わり帰っていく。一方、シズは昔の恋人・早川延四郎に逢引を持ちかけられ、道頓堀中で噂になる。シズがお茶子修行中の心の支えだった延四郎にお礼出来なかったと悔やんでいると知った千代は、彼女に延四郎と会うよう説得。千代の熱意に折れて延四郎と会い、お礼と決別を果たせたシズであったが、翌月に延四郎の訃報が届く。翌年の1月、千代は年季明けし、シズへ恩返しをしたいために岡安に残りお茶子を続けることを誓った直後、突然テルヲが訪ねて来る。テルヲに「栗子は産まれた娘を連れて家出」「借金は完済」「ヨシヲが病気」と帰郷を迫られ、千代は複雑な思いを抱くが、話は殆ど嘘で千代を借金のカタに身売りする魂胆が発覚する。千代は借金取りに抵抗するも岡安に対する嫌がらせが始まり、やむなく店を辞める決断をする。その直後、千代はひょんなことから天海天海一座の舞台に出演し、岡安に残りたいと泣き叫ぶ。後日、借金取りが迎えに来るが、道頓堀の人々が千代を逃がそうと一丸となり協力する。追っ手を逃れた千代はシズに背中を押され、新天地へと旅立っていく。
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