通信社の存在基盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 18:17 UTC 版)
外国のニュースなどを独自に購入したり外国に特派員を派遣する費用を負担できない新聞社を支えるものとして通信社は生まれ、多数の報道機関に採用されていくにつれ報道全体への影響力を増した。 この経済的理由から「需要側のマスコミと供給側の通信社」の関係が存在する。逆に言えば、通信社が内信・外信を維持していく為には報道機関の支えが必要である。多くの新聞社は費用を分担して運営する新聞組合主義の通信社に加盟しているが、特殊な分野では独立系通信社も存在する。マスコミは政治的、地理的な理由からも通信社と契約している。 ただし、報道機関は営利企業であり、資本の蓄積・拡大を宿命として抱え、ニュース情報も一元集中させようとする動きが、特に大新聞の過去の歴史上から見てとれる。つまり、新聞と通信社は互いに依存しながら潜在的に敵であるという複雑な関係にあり、これが新聞人や通信事業経営者を主役としたいくつかの事件を生んできた。中央紙と地方紙の販売部数競争においても地方紙の主要面を提供する通信社の役割は重要であるが、多くの新聞の紙面に「特色」が薄れた現在、また新たなドラマを生む土壌が醸成されつつある。 テレビ番組や新聞紙面の外信が通信社の配給ニュースから構成されることなどから、「ニュースの卸問屋」と呼ばれる場合がある。世界のニュースを収集するin-comingだけでなく、報道機関が取材したニュースを世界に発信するout-goingも果たすが、日本に限っていえば、国内の通信社でなく日本国外の通信社と新聞社が役割を担っている。著名人や有名人を招聘している外国人記者クラブはこの象徴といえる。
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