辺野古沖案の決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 05:23 UTC 版)
「普天間基地移設問題」の記事における「辺野古沖案の決定」の解説
協議会では当初、海上ヘリポート案につきぴポンツーン式メガフロート案も候補として残っていたが、「軍民共用空港」を実現するには不適であると結論され、QIPと埋立を比較した結果、2002年7月29日、第9回代替施設協議会にて、辺野古崎沖西南のリーフ付近を中心とした地域に、埋立て工法で計画することが決まった。 主要計画概要 面積:184ha 長さ:2500m(滑走路2000m) 幅:730m 工期:約9.5年 本工法が採用された背景に政治的な事情があることは既に述べたが、技術的理由については最後まで残ったQIP工法との比較で下記のように説明されている。 現状の技術水準で安定かつ十分な実績がある 維持管理費は護岸の点検や頻度が陸上の飛行場や港湾施設と同等である 施設の安全対策の面でも陸上の飛行場と同等である QIP工法の場合、本体に与える損傷度合、復旧においても優れている 建設費が安い(埋立工法3300億円、QIP工法6700億円) 維持管理費が安い(埋立工法年約0.8億円、QIP工法約3.1億円) なお代替施設協議会は発展解消し、代替施設建設協議会に衣替えされた。 埋め立て工法に決まったことで、全国の砂利、土運船業界にとっては朗報であった。この時計画された埋立土量約1770万立方メートルはかつての関西国際空港1期事業の約10分の1ではあったが、中部国際空港と比較すると約3分の1程度であり、事業費では神戸空港並であったからである。中部、神戸両空港に加えて関西国際空港2期工事などが当時進行していた大型海洋土木工事であり、本工事が発注されれば規模はそれらより小さいとは言え、これらに続く仕事となるからであった。土運船業界から見た技術的ネックは建設地がリーフ上で浅い場の工事である一方、沖縄県内に有力な土源が無いことであった。このため土源としては鹿児島県種子島や長崎県五島列島などが有力視され、土砂の輸送には自航可能なタイプ、特に中部国際空港に投入した当時最新鋭のファーストジョイント船型 の大型土運PB船(Pusher Barge 3000立方メートル)が採用されるという予想が業界紙で立てられている。 その間の政治情勢として、名護市長の岸本は自・公推薦で2002年2月3日に再選されていた。
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