超球充填
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:32 UTC 版)
3次元より高次元では、8次元までの超球の最密正規充填が知られている。超球の非正規充填についてはほとんど何も知られていない。次元によっては最密充填が非正規であるかもしれず、いくつかの次元(例えば10次元)では既知の最も密な非正規充填の方が既知の最も密な正規充填よりも密度が高い。 この問題は20世紀中ごろから関心をもたれ始め、4次元の場合については1982年にエリッヒ・フリードマンによって正24胞体の頂点を中心とする配置が最密になることが証明されている。 2016年、マリナ・ヴィヤゾフスカは8次元空間において正規・非正規を問わない最適充填がE8格子(英語版)だと証明した。さらにその直後、共同研究者とともに、24次元における最適充填がリーチ格子(英語版)だという証明を発表した。どちらの格子もその次元における既知の配置の中でもっとも稠密なものであった。ヴィヤゾフスカの証明では、慎重に選ばれたモジュラー関数のラプラス変換を用いて球対称な関数 f {\displaystyle f} を構築する。 f {\displaystyle f} はそれ自身およびフーリエ変換 f ^ {\displaystyle {\hat {f}}} がどちらも原点で1となるように構築される。さらに、充填の中央にある球の外では f {\displaystyle f} が負となる一方、 f ^ {\displaystyle {\hat {f}}} は常に正となるようにすることで、原点以外のすべての格子点で f {\displaystyle f} および f ^ {\displaystyle {\hat {f}}} がゼロになることを示せる。その上で f {\displaystyle f} に関するポアソン和公式を用い、想定される最適格子の密度をほかのあらゆる格子の密度と比較する。査読論文の中ではないが、ピーター・サルナックはこの証明を「驚くほど簡潔」と評し、「論文の冒頭を読むだけで証明が正しいと分かるだろう」と述べた。[訳語疑問点] 高次元に関する別のアプローチとして、最密充填の密度の下界を漸近的に求めようとする研究がある。現在までに得られた最大の成果は、n 次元ではある数 c について cn2−n 以上の密度を持つ格子が存在するというものである。
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