起源と語の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 06:03 UTC 版)
カナダ社会を形容して「モザイク」という語を用いるのは、ジョン・ミュレー・ギボンの著書『カナダのモザイク』(1938年)が初出とされる。ギボンはアメリカの人種のるつぼ論を明確に批判。同論を移民やその子孫がアメリカの生活様式に同化する余り、故国や起源となる文化との紐帯を断ち切る過程と見なしたのである。 ジョン・ポーターは1965年、社会学の研究論文「垂直的モザイク カナダにおける社会的階級及び権力の分析」を発表。同書では一部の集団(例えばイギリス系)が収入や教育、健康状態に関して他民族よりも良好であることを明らかにしている。逆に東、南欧系はこれらの指標があまり良く無く、最も劣悪なのは先住民やイヌイットであったという。 ポーターはこの垂直的配列を、意思決定における権力や影響力に関連しているのではと推論。したがってイギリス系は、政府や経済的、政治的領域におけるエリートの間で大きな影響を与える傾向にあるとした。 ポーターの発見は1965年以降幾つかの研究において実証されたり、僅かではあるが修正されてもいる。例えば、民族間での経済格差が若干狭まり、フランス語圏が政治や政府において優位に立っている点である。しかしながら、カナダにおける社会経済的エリートはイギリス系が支配的である状態は変わらない。
※この「起源と語の使用」の解説は、「文化的モザイク」の解説の一部です。
「起源と語の使用」を含む「文化的モザイク」の記事については、「文化的モザイク」の概要を参照ください。
- 起源と語の使用のページへのリンク