質屋営業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 03:24 UTC 版)
質草には、不動産以外の宝飾品や貴金属(ジュエリー)、いわゆる「有名ブランド品」(バッグ、腕時計など)のほかに、ゴルフ会員権、電話加入権、有価証券、金貨、金地金 などが当てられることが多い。質屋は質草の価値を判断して、金銭を貸し付ける。最短流質期限は3ヶ月 であり、利子の支払いにより質契約を更新できる。 質置主(借主)は、流質期限前は、いつでも元利金を弁済して、その質物を受け戻すことができる。一方、もし流質期限までに元利金の弁済がなされない場合は、質屋はその質物の所有権を取得し(「質流れ」という)、これを処分できる。法律により、質屋が質置主(借主)に対して、取り立てや催促を行うことができない。また、動産に対する強制執行では売却代金と元利及び、費用との差額は債務者に返還しなければいけないのに対して、民営質屋については、質流れの質物は売却して元利との差額は民営質屋の利益となる。 刑罰上の法定の上限金利は日 0.3%、年 109.5% であるが、月 9% の暦月計算が認められており、日割り計算を行わない場合がある。そのため、質屋営業についても利息制限法における規制利息を超す高金利で営業しているのが一般的であり、現行の公認営業の業界では質屋業界のみがグレーゾーン金利で営業している。(一般的には、無担保よりも有担保のほうが金利が低いのが通例であるが、質屋営業については、有担保でありながら、無担保の金融業者よりもかなりの高利で営業しているのが通例であり、珍しい営業実態である) 暦月9%を刑罰法令の適用の上限金利(民事上の上限であるかについては、質屋営業法第36条そのものが金利の刑罰法令である出資法の読み替え規定のため下記のとおり争われている)とした理由は立法当時の質屋の営業実態を参考にしていて、大部分が月1割であり一律に出資法の上限金利である日歩30銭(1日当たり0.3%)を適用とすると実情に合わないため、また、刑罰法令の一般金利である日歩30銭との釣合いをとったためとされている 。 質屋営業は質預かりによる金銭貸付であるが、物品の所有権を即時に移転させる「買取り」も行なう。この場合、古物営業法が適用される。流質となった物品や買い取った物品を店頭で販売する質屋もある。
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