貯留型(下水道本管接続)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 17:03 UTC 版)
「マンホールトイレ」の記事における「貯留型(下水道本管接続)」の解説
流下型同様、避難場所などに、下水道本管に接続する排水管を延ばし、通常時は地上にマンホールのみが見える形の構造。非常時はマンホール部上部に仮設トイレを設置するもの。下流部のマンホールまたは汚水ます内に貯留弁等を設け、排水管を貯留槽とした構造をとり、常時水をためている。被災時の使用時は屎尿が貯留水で柔らかくなり臭気もおさえられる。貯まった汚水は水と共に定期的に一気に放水するため、下流の下水道管への滞留なども発生しにくい。下流の下水道本管の耐震化を行うのが望ましいが、耐震化が遅れ、被災してしまった場合にも、前記貯水部が屎尿の貯留槽として利用できる。バキュームカーによる吸引対応の体制がとれるのであれぱ、万一下水道管路が被災し、下流の流下機能に支障を来した場合も、災害時トイレとして機能できる特長がある。貯留弁や貯留用管路の口径を大きくとるため、流下型に比べると多少割高となる。ただし、汚物流下に必要な水量は排泄1回当たり換算の水量が少なく、トータルとして流下型に比べると節水型のシステムとなっている。ただし、上記は「管内貯留」を原則とした貯留型を例として記載している。近年、流下型をベースとして下流側が被災した場合を想定し、別途の貯留槽を設けるタイプも「貯留型」として出てきている。ただし管路の機能的はあくまで「流下型」を踏襲しており、前記の特徴はない。一方で、貯留槽に貯められる汚水はバキュームカーとの連動にて排水可能であり、下流側の管路が被災した場合にも一定期間、災害トイレとしての機能が確保できる。管路は流下型であるため、前記の貯留型で記載した節水機能はない。そのため、貯留槽に貯めるまでの掃流水量は多めになるとみられる。そのため、使用可能日数の試算(設計)時、貯留容量と必要掃流水量に関しては十分な精査が必要であると考えられる。(貯留槽が満水となった場合、オーバーフローした汚水は被災した管路に流下していく。貯留槽に流下させる水量により使用可能日数は変わる可能性がある) ※ 近年、このように流行下型の下流部に貯留槽を設けたものを「貯留型」と称する場合があるが、これは間違い。このタイプは上記の説明にある、貯水留型の機能とは異なり、いわば「流下型+便槽型」であり、「流下型」の特徴のまま、貯留機能を付加したものである事に注意が必要となる。貯水留機能は便槽機能で補完され、災害時もにもバキューム車対応での機能維持を特長としている。ただし、前記のとおり貯留槽は「下水道直結」ではないため、あくまで「流下型」の管路となる。なお、上流の水源からの掃流水量を考慮して、便槽部分の「貯留」日数を算出検討するのが望ましい。また、貯留型でも、貯留弁の下流部に便槽を設けて数日分以上の汚水を溜めれば、貯留型の上記機能のまま、便槽機能を付加することも可能である。その場合も、便槽貯留型の容量は管内容貯水留水量を考慮して「貯留」日数を算出検討するのが望ましい。
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