財前との確執
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 07:55 UTC 版)
財前五郎、里見脩二の師にあたる。しかし自分の不在中に雑誌の取材を受けるなど、自分を蔑ろにする助教授(現在の准教授)・財前の傲慢な性格を非常に嫌った。このため財前との関係は日増しに悪化するが、この件については、財前の振る舞いが東の高潔な性格・教授としての矜持・また財前への複雑な嫉妬にも似た感情をおおいに逆撫でしたことが要因となっていた。 財前への後継指名回避を決意した東は、東都大学の後輩に当たる東都大学第二外科主任教授船尾徹に後任教授の推薦を打診、推薦された温和な学究肌である金沢大学(2003年に放送されたシリーズでは石川大学となっている)教授菊川昇を後任教授候補とする。これは、現在独身の菊川は娘・佐枝子の配偶者としても最適であると考えた、妻の政子の進言に拠る所もある。 財前を排除し、娘婿とした菊川を自らの後任教授に迎えることがかなえば、退官後も第一外科に菊川を通して、影響力を行使できる可能性を東は察知していた。 更に教授選挙への工作のため、東は第二外科教授・今津(今津の教授就任の際には東が支援しており、今津は東に借りのある存在)に内意を打ち明け、菊川支持を取り付けると共に教授会工作を依頼。今津は財前の学位取得前の師で、財前を快く思わない病理学・大河内教授に東の内意また財前の傲慢な言動を伝え、間接的ではあるが大河内教授の選考委員立候補、そして委員長就任を促す。 書類審査の結果、財前、菊川と、財前の前任助教授である徳島大学・葛西が候補として残る。投票の際、東は「二人の愛弟子(葛西・財前を指す)が骨肉相食むのを見るのは忍びない」と、名台詞を吐いて退席。これは現教授の東から後任教授として推薦されない財前に対する同情票を封じるための大芝居であったが、開票の結果、票は割れ、財前、菊川の上位2名での決選投票になる。結果は2票差で財前が勝利。利害関係・思惑が交錯する教授選挙に際して、慣れない政治工作にまで手を染めた東の奮闘は実を結ぶことなく、東は傷心のままに退官する。
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