警察による個人情報漏洩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 17:32 UTC 版)
「逗子ストーカー殺人事件」の記事における「警察による個人情報漏洩」の解説
被害女性は結婚して名字が変わっており、また加害者の男から逃れるために住所を変更していた。しかし2011年6月に神奈川県警察が脅迫罪の逮捕状を執行する際、記載された被害女性の結婚後の名字や、転居先の市名などを加害者の前で読み上げていた。 上述のとおり、加害者の男は逮捕前の2010年12月までの段階で、探偵事務所を使って被害女性が逗子市在住であることを把握していた可能性が高いことが判明している。さらに逮捕状執行の際に、警察が加害者に被害女性の結婚後の名字や正確な居住住所を知らせたことが殺人事件につながった可能性がある。 「神奈川県警察の不祥事#2010年代」も参照 この事件から教訓を受けて、後のストーカー事件においては被害女性の名前を伏せ、顔写真を添付した逮捕状を執行することで被害者の実名を伏せた事例があった。その一方で刑事訴訟法第256条で「公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない」と規定されている。「被害者名も含めて審理の対象を特定するのは刑事訴訟法の基本原則であり、刑事訴追するにあたって被害者の実名を被疑者に完全に伏せることは被疑者の防御権の行使が制限される」という司法関係者・学者の意見もあり、こうした手段で被害者の実名を被疑者に対して伏せることについては、被疑者の防御権という問題が浮上している。
※この「警察による個人情報漏洩」の解説は、「逗子ストーカー殺人事件」の解説の一部です。
「警察による個人情報漏洩」を含む「逗子ストーカー殺人事件」の記事については、「逗子ストーカー殺人事件」の概要を参照ください。
- 警察による個人情報漏洩のページへのリンク