警察における不正疑惑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 05:13 UTC 版)
「アイルランドの警察」の記事における「警察における不正疑惑」の解説
伝統的に、アイルランドでの警察に対する市民の印象は良好である。これは北アイルランドにおけるかつての王室アルスター警察隊などと比較すると更に顕著である。しかし近年、警察に関係するスキャンダルが発生しており、その権威が揺らいでいる。一つは1976年3月に発生した、サリンズ列車強盗事件での捜査を巡る問題である。この事件では司法の乱用が問題となり、逮捕者に対する脅迫と拷問に関して裁判が行われた。有罪となった警察官には大統領の恩赦が与えられている。これ以外のスキャンダル、ケリー・ベイビーズ裁判などにより、警察の評判はさらに悪化することになった。 1990年代から2000年代初めにかけて、警察内部の汚職と不正疑惑が発覚した。ドネゴール州を舞台にしたこのモリス裁判では一部警官がIRA暫定派の情報提供者をでっち上げ、ドネゴールにあるナイト・クラブのオーナーを麻薬取引の罪で、居酒屋の主人を過失致死でそれぞれ冤罪にもかかわらず逮捕したとされる。後者については州が賠償金150万ユーロを支払うことで決着した。 シン・フェイン所属の市議会議員エディー・フラートンがアルスター防衛同盟に殺害された事件では、捜査が進展しないことが問題となっている。押収した物品を私物としていた問題も明るみにでた。 2004年には国営放送RTÉの報道番組において、逮捕者の尋問の際に暴力を振るっているという問題が取り上げられた。巡回裁判所の元判事は、彼が担当した裁判で警官が偽証をしていたと示唆し、内務大臣のディック・ロッシュは警察による暴力問題を非難した。警察長官は番組における偏向ぶりを批判している。引き続いて反グローバリズム団体であるリクレイム・ザ・ストリーツのデモに対し、警官が暴力を振るうビデオが公開された。この事件では警官1人が逮捕されている。
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