ちょう‐ど〔テウ‐〕【調度】
調度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/02 08:32 UTC 版)
調度(ちょうど)とは、身の回りに置かれ、日常生活において用いられる道具・家具・その他日用品の類を広く指して用いる言葉。時代や階層によって対象となる事物は異なる。
概要
平安時代の公家社会においては寝殿などの装飾・道具を広く指す「室礼」とほぼ同義語として用いられた。平安以降の有職故実の世界では主として公家が儀式や行事で用いる道具・家具類について論じられている(装束に関しては含むものと含まないものがある)。
その一方で『和名類聚抄』には「調度部」が設けられ、仏塔具・伽藍具・僧坊具・祭祀具・文書具・図絵具・征戦具・弓剣具・刑罰具・鞍馬具・鷹犬具・畋猟具・漁釣具・農耕具・造作具・木工具・細工具・鍛冶具・音楽具・服玩具・称量具・容飾具・澡浴具・厨膳具・薫香具・裁縫具・染色具・織機具・蚕糸具・屏障具・坐臥具・行旅具・葬送具など各階層・行事にて用いる調度について広く記された。
鎌倉時代の武家社会においては、弓矢と関連道具のことを「調度」と称した。この風習は近世まで続き、江戸時代の武家の邸宅には、重籐の弓2張と矢を込めた逆頬空穂(さかつらうつぼ)1腰を飾った調度台があり、儀式などの際に飾る習慣があった。
参考文献
- 鈴木敬三「調度」(『国史大辞典 9』(吉川弘文館、1988年) ISBN 978-4-642-00509-8)
- 郷家忠臣「調度」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)
「調度」の例文・使い方・用例・文例
- その夫婦は家具調度に金をたくさん使った。
- 安っぽい調度品を置いた部屋.
- りっぱな調度品の整っている部屋.
- その部屋は豪奢な調度品で飾られている.
- 御調度万端御質素の聖旨畏し
- 壮麗な調度品
- (特に作り付けの)部屋の家具・調度一般
- 彼女はその台所調度が気に入っていた
- しばしば居間として調度され、使われるベランダまたは屋根付きのパティオ
- 建築物の内装と調度品の設計を専門とする人
- 調度品を覆う革
- (院内で)調度の細工をした所
- 猩々足という,調度類の湾曲した足
- 寺院が所有する調度や道具
- 台盤という,宮殿の調度品
- 衣類や調度品などを入れる長方形をしたひつ
- 雛市という,雛祭り用の調度などを売る市
- 外居という,食物を納める調度
- 鏡箱という,理髪の調度品
調度と同じ種類の言葉
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