試合場審判1人体制でのジュリーの位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/02 03:41 UTC 版)
「ジュリー (柔道)」の記事における「試合場審判1人体制でのジュリーの位置付け」の解説
2013年から試験導入された新ルールでは、畳の上で試合を裁く審判員は主審1人となった(主審1人制自体はすでに2009年の世界ジュニアや、グランプリ・アブダビなどにおいて試験導入されたものの、時期尚早として見送られていた)。副審2名は審判委員席に隣り合わせで座り、ジュリーの監督の下、ともにケアシステムでビデオチェックを行いながら主審と合わせ3名で無線によって多数決で裁定を出していくことになった。ケアシステムの利用はジュリーよりも主に副審が行うことになった。なお、「ジュリーは審判員が助言を必要とした場合のみ試合に介入する」と定義付けられたものの、具体的にどのような場面でいかなる介入が行われるのかといった詳細な定義は示されていない。さらには、ロンドンオリンピックの騒動を受けて旗判定は廃止されて、延長戦に突入した場合はどちらかの選手が技のポイントか指導ポイントをあげるまで試合が続行される方式が採用されることになった。 2014年には、前年に試験導入された新ルールが一部改定されて、リオデジャネイロオリンピックが開催される2016年まで正式導入されることに決まった。そこでは「ジュリーが審判員の判定に介入して判断を変更させるのは例外的な事情の時だけ」と新たに記されたものの、例外的な事情がいかなる事情であるのか、具体的な説明はなされていない。その後に公表されたより詳細なルール規定によれば、ジュリーが実際の動きとその後のビデオでの確認によって疑いなく判定の訂正が妥当だと判断して副審もそれに同意した場合、もしくは返し技においてどちら側に技の効果が認められるか微妙な場合に限って審判員に通知するとしている。また、コーチは判定の変更に抗議する権限はないが、ジュリーテーブルに出向いて変更がなされた理由や最終判断に関して見聞することは可能だとしている。さらに、以前は審判員が畳を降りて以降は原則結果が覆ることはなかったが、今後は審判員が畳を降りた後でも記録係の人為的ミスなどにより明らかな結果の間違いが認められた場合は、選手を再び畳に戻して勝利宣告をやり直させるか、延長戦から試合を再開させる点も付け加えられた。 2018年までに副審2名はケアシステムのビデオを利用しないことになった。スーパーバイザーまたはジュリーのみが利用することになった。しかし、副審は畳の上に戻らず隣り合わせで試合会場の下に座り目視で試合を見て主審と合わせ3名で無線によって多数決で裁定を出していく役割を続けることになった。
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