試刀術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 00:25 UTC 版)
異説もあるが、衛友の父・衛好は、刀剣の性能を見極める「試刀」の技術を独自に編み出し、試し斬りの元祖だったとされる。「試刀術」(試剣術)と呼ばれるこの刀剣性能測定法は、美意識・美的価値による芸術としての刀剣鑑定・ランク付けではなく、鎧や兜といった武具など、そして実際に人間(通常、死罪人か死体そのもの)を斬ることにより、実際の道具としての刀剣性能を品評し、またはそれに必要な技術そのものであり、経験と知識、なにより錬度の高い技術を要した。谷家では試し斬りの技法が代々一族で受け継がれ、その門下から名手の多くを排出した。初代の公儀御様御用(こうぎおためしごよう)山田浅右衛門も、谷流とも呼ばれたこの流派だった。衛友は秀忠の御伽衆となったため、門人からは幕府に仕えるものもいた。その門人で最も試刀術 名の知れた人物は、幕府書院番に出仕したこともある中川左平太(重良)である。この中川に師事した者の中に、山野加右衛門(永久)がいて、この人物は試し斬りを本職とするまでになった。山野門下の2代目山野勘十郎(久英)は十人扶持という微禄ながら幕府に雇用され、将軍の佩刀や、大名への下賜品、大名からの献上品の管理を任される腰物奉行配下の御様御用となっている。
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