記憶装置と命令
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 19:45 UTC 版)
主記憶容量は1024ワード(1ワード(ショートワード)は17ビット)だが、実際にメモリが実装されたのは512ワードまでだった。ロングワードは35ビットで、偶数アドレスと奇数アドレスのショートワードを、真ん中に「サンドイッチビット」と呼ばれるビット(記憶装置の都合によるスタートビット兼ストップビットのようなものがそのまま入る)を挟んで連続して使用する。数値は2の補数表現の二進数である。 18個の命令を備えていた。17ビットのショートワード先頭5ビットが命令コードだが、紙テープの文字コードをそのまま使い、ニーモニックの文字コードを命令コードとしていた。例えば "Add" 命令の命令コードは "A" の文字コードだった。その後に1ビットの未使用ビットをはさみ、10ビットのメモリアドレスがあり、最後の1ビットはオペランドがショートワードなのかロングワードなのかを指定する。 乗算器は数値を固定小数点数として扱い、その範囲は -1 ≤ x < 1 となるよう設計されている。すなわち、小数点は符号のすぐ後にある。アキュムレータは71ビット幅で、35ビットのロングワード同士の乗算を行っても切捨てが起きないよう設計されている。 命令としては、加算、減算、乗算、照合、左シフト、右シフト、乗算器用レジスタへのロード、アキュムレータの内容のストア(オプションでアキュムレータをクリア)、条件付スキップ、入力テープ読み込み、文字印字、アキュムレータを丸める、NOP、ストップなどがある。除算命令はなく(サブルーチンで実装)、アキュムレータに直接メモリからロードする命令もない(アキュムレータをストア命令でゼロクリアしてから加算命令で「ゼロに該当の値を加算」することで、ロードと同様の結果になる)。
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