観衆の妨害
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1995年6月20日、阪神対横浜ベイスターズ(横浜スタジアム) 9回表(阪神の攻撃)。先頭打者の新庄剛志が横浜の佐々木主浩投手から打った打球は、左翼スタンドに届きそうな大飛球となったが、阪神ファンがフェンス際で振っていた応援旗に当たってしまい、フィールド内に落下した。打球を見送りかけていた宮里太左翼手は、慌ててボールを拾って送球したが、新庄は三塁まで到達した。審判団は協議の結果、観衆による守備妨害があったと認め、打球を二塁打と判定。新庄は二塁に戻されて試合が再開された。阪神の中村勝広監督は、妨害がなければスタンドに入っていたはずだと抗議したが、認められなかった。 2016年6月14日、東北楽天ゴールデンイーグルス対巨人(東京ドーム) 7回表(楽天の攻撃)、打者のオコエ瑠偉は右翼側ファウル地域にフライを打ち上げた。巨人の長野久義右翼手が捕球体勢に入ったところ、グラブを手にした観客が観客席から身を乗り出して打球を捕球し、そのままフィールド内に転落した。審判団は協議の結果、観衆による守備妨害があり、妨害がなければ長野が捕球できていたと認め、オコエはアウトを宣告された。 2019年7月22日、シアトル・マリナーズ対テキサス・レンジャーズ(T-モバイル・パーク) 1回表(レンジャーズの攻撃)、打者のハンター・ペンスは三塁側ファウル地域にフライを打ち上げた。マリナーズのカイル・シーガー三塁手は、飛球を追って三塁側スタンドのフェンス際まで走り、フェンス上方にグラブを伸ばして捕球しようとした。このとき、グラブを手にした観客が立ち上がり、シーガーのグラブの上で飛球を捕った。三塁塁審は、「スタンドへ入りそうな打球を捕球しようとしている野手が観衆に妨害された場合、野手は危険を承知でプレイしている」ので、打球はスタンドに入ったもの(ファウルボール)とし、観衆による守備妨害としない(セーフのシグナル:ナッシング)と判定した。 2021年5月1日、楽天対ロッテ(楽天生命パーク宮城) 4回裏(楽天の攻撃)、打者の小深田大翔は左翼側ファウル地域にフライを打ち上げた。ロッテの角中勝也左翼手が飛球を追って捕球体制に入ったところ、観客が身を乗り出して打球を捕球しようとし、それにより、角中は落球した。審判は協議の結果、観衆による守備妨害があり、妨害がなければ角中が捕球できていたと認め、小深田はアウトを宣告された。
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