製造工場と生産体制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 00:58 UTC 版)
恩賜のたばこはすべて都内の工場で製造された。恩賜のたばこの大半を占める口付き紙巻たばことフィルター付き紙巻たばこは東京都内のたばこ工場内に設けられた専用工場(御料工場)で作られた。 口付きたばこは初期には淀橋工場、後に東京工場(業平工場)、戦後の一時期は品川工場で作られており、フィルター付きたばこは東京工場、両切りたばこは芝工場と足立工場。葉巻は足立工場のちに東京工場で作られた。 初期の淀橋工場と昭和に入って以降の大部分を作った東京工場(業平工場)には、小さいながらも独立した特製たばこ専用工場が各工場内に置かれた。施設・設備も特製たばこ工場は専用の物であり、人員も太平洋戦争中の増産期を除いて専任のスタッフが製造にあたった。1973年(昭和48年)にあらたに東京工場に置かれた特製たばこ専用工場は職員数6-7名前後の小さな工場だがベテランを配し、とくに箱入れ包装作業工程には機械が無くすべて手作業で行われている。 1945年(昭和20年)までの特製たばこの製造には特に注意が払われた。関係者以外の工場への立ち入りは厳しく制限され、製造にあたる職員は、作業前に入浴、さらに消毒は徹底され、朝夕には工場医の健康診断も行われた。戦後には戦前のような作業前の入浴や毎日の健診などの特別な準備こそは行われなくなったものの、製造には細心の注意をもって行うことは続いた。前述の通り、包装工程には機械は使われず、すべて手作業で箱詰め、包装が行われていた。
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