製造技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:30 UTC 版)
量産性を向上させるための構造単純化に成功しており、最終工程の組み立ては熟練の工員の手によって調整された。日本が小銃の部品互換化を実現するのは後継の九九式小銃・九九式短小銃だった。また、重量が約4000gあるため兵士の疲労は増し実戦での不利を招いた。 木材部分には、国内産のクルミが使用されている。銃床部は三十年式小銃と同じく、耐久性向上のため2個の木材部を上下に組み合わせている。これは銃床の上下で木目の方向を変えることで、銃床が床尾板付近で割れることを防ぐための措置であった。 金属部分、特に銃身鋼材については、軍用銃には珍しいタングステン鋼が使用されている。この銃身鋼材は八幡製鉄所で精錬し、鋼材を各工廠(陸軍造兵廠)で加工した。銃身鋼材を国内精錬とした初めての銃であるが、原料は国内調達ができず、タングステンこそ喜和田鉱山の灰重石を使用したが、鉄鉱石は中国の鞍山産を使用している。また、銃身鋼の製法特許はオーストリアのボーレル(Böhler)社から取得している。また、銃身には製造工数は増えるが、耐久性の高いメトフォード型ライフリングが彫られていた。銃身の寿命は発射数8,000発程度と想定されていた。
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