製法区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/25 05:17 UTC 版)
製法区分上では、釉薬瓦(陶器瓦)といぶし瓦と無釉瓦の3つに大別されている。 釉薬瓦(ゆうやくがわら) 焼きものの絵具である釉薬(ゆうやく)を塗布して作られる。別名陶器瓦。これに塩焼瓦を含む。釉薬瓦は瓦の表面にガラス質の釉薬層を形成する。瓦そのものは赤色のことが多く、釉薬による着色も表面のみのことが多い。釉薬によって様々な色が表現でき、また量産性や色の管理も容易であるために、最も大量に生産されている瓦である。釉薬ゆえに均一な色しか表現できないが、表面のガラス層が耐水性をもつために、無釉薬瓦より耐久性が高いといわれる。 塩焼瓦(しおやきがわら) 釉薬の代わりに塩を使用する。瓦を1100℃位で焼成し、岩塩を焚口に投入すると、岩塩中のナトリウムと粘土中の珪酸アルミナと化合して赤褐色の珪酸ナトリウムのガラス状被膜ができる。仕上がりは赤褐色となる。三州瓦(愛知県)の最後の専用窯の操業が2006年春頃に停止されたため、現在では殆ど製造されていない。 いぶし瓦 素地の状態で瓦を焼成し、後にプロパンガスや水で希釈した灯油などを用いていぶし、瓦表面に炭素膜を形成したもの。瓦は裏も表も均一な黒色となる。古くは松葉などを燻化材に用いた。焼く前の素地仕上げの際に施される表面化粧の方法の一つとして片面か両面を金ベラで磨き、銀色のサエを強調する産地もある。新品のときは一様な黒色であるが、年月が経過すると黒~銀色の色調変化が現れ、屋根のアクセントになるのが特徴である。 無釉瓦 釉薬を施していない瓦をいう。素地そのままを焼き上げる素焼瓦、金属酸化物を原料粘土中に練り込んだ練り込み瓦、特殊な焼成雰囲気を意図的に作り出して焼く窯変瓦がある。
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