製法例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 15:29 UTC 版)
生種子を使ったものもあるが、通常は10月から11月以降に採取した種子を割って日乾しにしたものを使用する。風で乾燥させたソテツの実を木槌で割るか、押し切りを使って切り、デンプンを含む種子(仁)を取り出す。 一晩水晒しをし、天日乾燥させる工程を数回繰り返した後、これを臼と杵で搗き砕いて、「さんばら」と呼ばれるざるで乾燥し、粉末にする。 玄米と合わせ、場合によってはコムギも少量加え、甑(「くしき」、こしき)で半日近く蒸す。 蒸し上がったものを冷ましてから、土間に敷いた筵に広げ、麹箱でニホンコウジカビ(黄麹菌)を主とするコウジカビを繁殖させて麹とする。従来は何度も使ってコウジカビが付着した筵で蘇鉄麹を作ったが、この筵を麹筵(沖永良部島方言でほーじむしゅ)と称した。摂氏33度ほどが繁殖に適し、春に作る場合は3日ほど、冬に作るときは湯を吹き付けるなどしながら7日ほどかかる。湿度が低くなっていると黒カビなどの繁殖が抑制される。 鍋で煮た大豆、場合によってはさらに蒸したサツマイモを用意し、蘇鉄麹を混ぜ、塩も加えて、臼と杵で搗き潰す。サツマイモを使わない場合、大豆の煮汁を少量加えて水分を調整する場合がある。 少量ずつ手で丸くまとめてから、内側に焼酎(奄美黒糖焼酎、泡盛)を塗って消毒した味噌甕(沖永良部島方言でみしゅがみ)に詰めて、塩を振り、バナナの葉で蓋をして数ヶ月間納屋で発酵、熟成させる。1ヶ月でも食べられるが、長めに熟成させた方が風味が良くなる。
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