被服工長学舎を併合
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1896年(明治29年)5月、従来の陸軍経理学校条例が廃止され、新しい陸軍経理学校条例(勅令第223号)が制定された。新学校条例第1条により陸軍経理学校は「陸軍監督補、陸軍軍吏および陸軍縫工下長、陸軍靴工下長と為すべき者を養成する所」と定められた。これは本所区横網町に設置されていた陸軍被服工長学舎を廃止し陸軍経理学校に併合する改編で、横網町の施設をそのまま陸軍経理学校生徒舎として従前の教育を継続するものである。陸軍縫工下長、陸軍靴工下長とは憲兵科、屯田兵科を除く各兵科の特業下士で伍長に相当する階級である。学校の編制は陸軍省経理局長に隷する校長以下、副官、軍医、教官、下士、属、および雇員の教員と、傭人、そして学生、生徒となった。校長は一等または二等監督、副官は一等または二等軍吏、軍医は一等軍医(大尉相当)、教官は参謀中佐または参謀少佐、騎兵大尉、二等または三等監督、監督補、一等または二等軍吏、文官の陸軍教授、同じく陸軍技師の中から選ばれる。雇員の教員は生徒のみを教育する。 新しい学校条例による陸軍経理学校の被教育者は次のとおり(1896年5月時点)。 監督学生 陸軍監督補となるべき教育を受ける。 各兵科の大尉、一等軍吏、および実役停年2年以上の各兵科中尉、二等軍吏の志願者で試験に合格し選抜採用された者。陸軍大学校卒業者は試験を行わない。修学期間は約2年。 軍吏学生 陸軍軍吏となるべき教育を受ける。 歩兵科、騎兵科、砲兵科、工兵科、輜重兵科の現役特務曹長、および1年以上その階級にある前記各兵科の現役曹長と陸軍一等書記の志願者で試験に合格し選抜採用された者。修学期間は約1年。 生徒 陸軍縫工下長、陸軍靴工下長となるよう養成される。 現役、予備役、後備役の兵卒から採用された者。修業期間は約1年。 監督学生および軍吏学生は校外に居住し、生徒は校内(生徒舎)に居住する。修学に必要な書籍、器具、消耗品は貸与または支給され、本来は軍隊外で生活する予備役と後備役の籍にある生徒には修学期間中の被服、糧食および手当金を支給する。 1897年(明治30年)8月末、陸軍経理学校条例中改正(勅令第299号)により、監督学生は40歳以下の年齢制限を設け、憲兵科を除く各兵科中尉と二等軍吏は実役停年1年以上から志願可能とした。軍吏学生には32歳以下の年齢制限を設けた。
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