ぎょうせい‐かんちょう〔ギヤウセイクワンチヤウ〕【行政官庁】
行政官庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 19:32 UTC 版)
正統カリフ時代には行政官庁に当たるものはウマルが創設した、ムカーティラ(兵士)の登録と俸給の支払いを司るディーワーンがあるのみだったが、ウマイヤ朝初代カリフであるムアーウィヤは、これをディーワーン・アル=ジュンド(軍務庁)と改名したうえで、租税の徴収を司るディーワーン・アル=ハラージュ(租税庁)や、カリフの書簡を作成するディーワーン・アッ=ラサーイル(文書庁)、それを保管するディーワーン・アル=ハータム(印璽庁)を設立した。これらのうち、ディーワーン・アル=ジュンドとディーワーン・アル=ハラージュが国家機関のほとんどすべてであった。これらの中央官庁は行政州に出先機関を持ち、それらの支所は行政州の管轄に置かれた。 ディーワーン・アル=ジュンドなどの行政官庁ではアラビア語が用いられていたが、ディーワーン・アル=ハラージュでは各地の言語が用いられていた。第5代カリフであるアブドゥルマリクは改革に着手し、697年には彼の指示を受けたハッジャージュがイラク州の官庁で用いられていたペルシア語をアラビア語に変える命令を下した。また、700年にはシリアでギリシア語から、705年にはエジプトでコプト語から、742年にはイランでペルシア語から、それぞれアラビア語への切り替えが行われた。こうした行政言語の切り替えによって官庁で働く役人も、各地のズィンミーに代わってアラブ人が重用されるようになった。
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