行政の対応・規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 08:17 UTC 版)
サブリースによる賃貸住宅経営を「相続税対策」といったセールストークによりこれまで大家経験のない人々に対して売り込み、家賃変更や契約打ち切りがある旨を明確にしないまま契約に至り、後にトラブルとなる事例が数多く存在する。しかし、賃貸住宅経営における家主は一般の不動産売買における「消費者」ではなく、あくまで「事業者」であり、サブリース契約は事業者同士の契約なので、契約内容の詳細に関する確認を怠っても、事業者(家主)の責任とされてきた。 サブリースを所管する国土交通省は関係機関への苦情・相談が相次ぐ状況を把握しており、2011年から賃貸住宅管理業者登録制度を設け、賃貸住宅管理業者に登録したサブリース業者に対して重要事項の説明などのルールを定めた賃貸住宅管理業務処理準則の遵守を求めてきた。しかし、その後もトラブルは絶えなかったため、2015年7月29日、国土交通省土地・建設産業局不動産業課長の名義で関係各団体に対して、改めて「サブリース事業に係る適切な業務の実施について」という通知を出す事態となった。 さらに2015年10月には「賃貸住宅管理業者登録制度に係る検討委員会」を設置し、そこで取りまとめられた対応策をもとに2016年8月12日に「賃貸住宅管理業者登録規程」および「賃貸住宅管理業務処理準則」の改正を行った。この改正により、サブリース業者による大家への重要事項の説明および契約成立時の書面交付が義務化され、これに違反した場合は業者名を公表するといった措置がとられることとなった。 2016年の「賃貸住宅管理業者登録規程」および「賃貸住宅管理業務処理準則」の改正後もサブリース問題は減ることなく、2018年4月のシェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻のような大規模問題事例が生じたことで、2020年、国土交通省はサブリースを規制する新法を提出することとなった。この新法では、 不当な勧誘を禁止 家賃収入が保証される期間や条件などについて書面で説明することを義務づけ 違反した場合には業務停止命令を出したり、罰金を科す サブリース契約業者の登録を義務化 入居状況や入居者とのトラブルについて定期的に報告を要求 といった規制が新たに課される内容となっている。
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