蒸留・製成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 04:43 UTC 版)
2次醪は粘性が高いため生蒸気を直接吹き込む形式の常圧蒸留が一般的に用いられるが、減圧蒸留や両者のブレンドも一部で行われている。単式蒸留器の缶体はステンレスや琺瑯で作られており、数本の管で蒸気が吹き込まれて、醪が流動しながら全体が加熱されるように設計されている。缶容量の半分程度の醪を投入し、蒸気を吹き込んで30-50分で蒸留液が垂れ始め、そこから150-180分で蒸留が完了する。 蒸留直後の原酒はホルムアルデヒドなどのガスや、油臭の原因となるパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸などのエチルエステル成分が含まれる。このため開放状態で1か月ほど貯蔵するか移し替えなどを行ってガスを抜き、ろ過をしてエチルエステルを除去する。高級脂肪酸がエタノールと醪中で反応して生成したエチルエステルは重要な香味成分でもあるため、除去しすぎると焼酎のバランスが崩れる。また、エチルエステルが空気と反応して酸化分解すると油臭の原因となるため、表面に浮かないようアルコール度数を30%以上に保ち、反応を抑制するよう低温で暗所に貯蔵する。
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