著作権保護期間延長への対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 14:07 UTC 版)
「青空文庫」の記事における「著作権保護期間延長への対応」の解説
2003年以降、米国政府は「年次改革要望書」を通じ、日本政府に対して著作権の保護期間を「個人の場合は死後70年・法人の場合は公表後95年」に延長することを要求している。これを受けて文化庁は、2007年中に文化審議会著作権分科会で結論を得ると表明した。保護期間を延長する法改正がなされた場合、青空文庫は改正法の施行から最短でも20年間は新規の作品登録が困難になるおそれがあるため、2005年1月1日付けで反対声明を公表した。さらに、2007年1月1日からは同趣旨の請願署名を開始した。 日本国外ではその時点で、エリック・エルドレッド(Eric Eldred)やオーストラリアのプロジェクト・グーテンベルクの活動が著作権保護期間延長によって困難になってきていた。青空文庫が延長反対を表明し、請願署名をおこなったのも、そうした前例を受けてのことである。 2015年10月5日に大筋合意に達した環太平洋経済連携協定(TPP)の中に著作権の保護期間延長を求める条項が含まれており、妥結の結果法改正が行われると青空文庫の活動にも影響が生じることから、今後を懸念する意見も出た。 その後、上記のTPPに対応した改正著作権法が成立し、2018年12月30日より施行された。これに伴い、法改正がなければ2019年にパブリックドメインになるはずだった、1968年死去の著作者による作品の公開は20年後まで延期となった。青空文庫ウェブサイトでは2019年1月1日付で、公開を予定しながら法改正により延期した著作者28人のリストを掲載した。1月10日に関係者などが開いた「著作権延長後の世界で、我われは何をすべきか」というシンポジウムでは、保護期間でも著作者の同意のある作品や著作権者不明作品の公開も検討対象となっていることが報告された。
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