著作権と翻訳権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 00:06 UTC 版)
フランスを初めEU加盟国の著作権保護期間は個人の死後70年であり、死亡宣告で1944年没と認定されたサン=テグジュペリの保護期間満了は通例では2014年であるが、サン=テグジュペリはフランス著作権法第123条の10における「愛国殉職者」の認定を受けているため、フランス国内では2044年まで著作権が存続する予定である。著作権の保護期間を世界最長の「死後100年」と定めているメキシコでもフランスと同様に2044年まで、アメリカ合衆国では1978年のベルヌ条約加盟以前に旧法下で保護期間を満了しなかった著作物に対する特例に基づき「死後95年または公表後120年のどちらか短い方」の前者が適用され2039年まで著作権が存続する予定。カナダやニュージーランドでは1994年末に保護期間を満了し、パブリックドメインとなっている。 日本では岩波書店が独占的な翻訳権を有していたが、原著の日本における著作権の保護期間は、サン=テグジュペリのフランスにおける消息不明期間の満了日である1945年9月20日を起算日として、没後50年による正規の保護期間が1995年12月31日に満了し、さらにサンフランシスコ平和条約に基づく戦時加算分の日数として英語版初版本の発行日である1943年4月7日から平和条約発行日の前日の1952年4月28日までの期間が加算されて、2005年1月22日に満了した。これによって論創社・宝島社・中央公論新社など数社から相次いで新訳が出版された。ただし、日本語の書名である『星の王子さま』は、岩波版の翻訳者であるフランス文学者の内藤濯によるもの(直訳では『小さい王子』あるいは『小さい大公』)であるため、新訳本の出版の際には新訳にふさわしい別の書名をつけるか、本の扉裏やあとがきに内藤濯の考案であることを明示してほしいと、岩波書店などは要望している。
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