良く知られているタックス・ヘイヴンの場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 01:12 UTC 版)
「タックス・ヘイヴン」の記事における「良く知られているタックス・ヘイヴンの場所」の解説
代表的な場所としては、スイス、シンガポール、香港、バハマ、ケイマン諸島、バージン諸島、ルクセンブルク、ジャージー島などである。オフショア金融センターはタックス・ヘイヴンと不可分の関係にあるため、ここではオフショア金融センターも含む。2013年時点では、タックス・ヘイヴンにある金融資産のうちスイスに3分の1が保管され、残りの3分の2はシンガポール、香港、バハマ、ケイマン諸島、バージン諸島、ルクセンブルク、ジャージー島などにある。 シンガポールは財務省(MOF)や4大会計事務所のPwCやアーンスト&ヤングによって、同国は脱税行為や利益移転(BEPS)を容認せず、OECD・G7の枠組みに協力しており、経済活動支援や人材開発に主眼を置いているため悪質性はない、と主張している。ただし悪質な場合は資本主義の構造や国家財政に悪影響をもたらすフリーライダーの存在となり得るため、タックスヘイヴン対策税制や税務情報の共有をする対策が取られている。 なお、ケイマン諸島の外国資本企業法人税減免システムは、実は宗主国イギリスであるシティ・オブ・ロンドンの課税システムをそのまま導入したことに由来する。 アメリカ合衆国デラウェア州も「租税回避地」として広く知られている。人間の居住者よりも多くの企業(公開・非公開)が存在しており、2016年4月の集計では、人口89万7934人に対し、企業数は94万5326社も存在し、「法人税制やLLCの税制から判断すると、世界最悪のタックス・ヘイヴンである」とニューズウィークが指摘している。 デラウェア州が租税回避地になったのは19世紀末で、州は1社あたり年300ドルを得て、約4割がペーパーカンパニー立地に絡む歳入である。デラウェア州ウィルミントン市北オレンジ通り1209番地にある2階建てのビルには31万社が存在し、ペーパーカンパニーの代表名義は弁護士が多く、設立に実質所有者の情報は不要で州政府も把握できず、秘匿性が高い。
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