艦名設定の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 16:15 UTC 版)
出渕裕によって描かれた設定画で一般に出回っているものは以下の3種類が存在する。以下の設定画は基本的に同じものであるが、船体に描かれている文字が異なる。 船体に「TROY HORSE」と描かれているもの(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』における準備稿、カラー設定画)。 船体に「GRAY PHANTOM」と描かれているもの(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』における決定稿)。 船体に何も描かれていないもの(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』における決定稿)。 このうち、1990年代前半頃まで主に使用されたのが「TROY HORSE」と描かれたものである。この設定画はOVA制作の初期に変更前のトロイホースの名前と共に多くのアニメ雑誌や模型誌などで掲載され、グレイファントムに変更された後もそのまま使われていた(例として『月刊モデルグラフィックス』1989年4月号に「トロイホース改めグレイファントム」とする記述があるが、設定画は「TROY HORSE」のままであった)。この設定画が「GRAY PHANTOM」に描き直されたのはOVA第1話発売の後であるらしく、カラー設定画は1999年に発売された書籍『機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 宇宙編』において初めて描き直された。このような経緯により、長い間混同が生じる結果になった。 混同の代表的な例がバンダイ発行の書籍『ENTERTAINMENT BIBLE.37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑』(1991年)における本艦の扱いである。この書籍でグレイファントムはペガサス級強襲揚陸空母「トロイホース」として紹介されており、カラー口絵ではカラー設定画である「TROY HORSE」と描かれたものが使われている。しかし、モノクロページでは決定稿である「GRAY PHANTOM」と描かれたものが使われている。また、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する艦は特に名称は決められていないが、メカニック大図鑑の影響により多くの資料でトロイホースとされてきた。さらに、バンプレストやバンダイのゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』と『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』でも長い間トロイホースとして登場していることも影響を与えている。 また、漫画版『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』においては、OVA版とは異なるシーンにグレイファントムではなくトロイホースとして登場している。そのため、コミックボンボン編集部としてはトロイホースとグレイファントムを別の艦として設定する必要がでてしまい、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』完結後に発売された書籍『機動戦士ガンダム0083 MS WARS』(1993年)において、旧『モビルスーツバリエーション』の設定を流用しながらもSCVA-72 サラブレッドの存在を漫画版『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のトロイホースに、SCVA-73 トロイホースをOVA版グレイファントムに置き換えた。 しかし、近年は旧設定が再認識される傾向にあり、雑誌や書籍などで「トロイホースはグレイファントムの誤りである」「トロイホースはグレイファントムである」と認識されることが多くなった。『SDガンダム GGENERATION』シリーズではトロイホースという名前で登場する場合は、「劇中ではグレイファントムと呼称されている」と説明。作品によってはグレイファントムとして登場することもあるが、この場合は「トロイホース級のグレイファントム」という独自の解釈になっている。
※この「艦名設定の変遷」の解説は、「グレイファントム」の解説の一部です。
「艦名設定の変遷」を含む「グレイファントム」の記事については、「グレイファントム」の概要を参照ください。
- 艦名設定の変遷のページへのリンク