船舶・艦艇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 08:15 UTC 版)
詳細は「ダズル迷彩」を参照 艦船における迷彩は、陸上や航空機から「見えにくくする」ものではなく、敵に大きさ・速力・進行方向や艦までの距離などを誤認させることが主目的となる。これは海洋上において艦船の不可視現象を表現することが困難であるためである。 艦船の迷彩は19世紀末ごろにアイデアが現れるが、実現したのは第一次世界大戦であった。1917年頃、第一次大戦中にドイツの潜水艦による被害が増大すると、帯状の迷彩や波頭の迷彩が行われるようになった。特に煙突やマストなどをそのままに存続する場合は垂直線を消去し斜線の迷彩を施した。 初期には多くの色が用いられたが、第一次大戦後には黒系、灰系(バトルシップグレイ)、青系におさまった。それはドイツの潜水艦が迷彩看破の方法として潜望鏡に色光濾過機(色をモノクロに還元するフィルタ)を備え、色の影響を無くして攻撃していることへの対応であった。艦全体を灰色に塗装、背景との区別を困難にし、艦までの速度・距離測定を欺瞞し、艦影を巡洋艦や戦艦といったサイズが異なる艦艇と近い形にすることにより、距離を誤認させようとしたこともある。 第二次大戦では空母にも迷彩塗装が施されている。空母は空から見るとその形ですぐに艦種が判明してしまうが、飛行甲板上に幾何学模様(基本的にどの国も、緑、黒など暗い色を用いている)の迷彩を施すことで、船として発見されてもどんな船だかを判別できなくするという、輪郭線の欺瞞が期待できるからである。アメリカ海軍では灰色2色に黒を交えた雲形迷彩(Ms.32/22D)を考案し、ミズーリなどの戦艦にも採用していた。イギリス海軍ではマウントバッテンピンクが一時期使われていた。日本海軍の瑞鶴 (空母)は空母以外の艦船に誤認させるため、船体や甲板に艦影や構造物の図案を塗装した。 第二次世界大戦後は全体を灰色で塗装するのが主流となった。 艦船の代表的な迷彩様式は以下の通り。 ブラッシュ式 マッケー式 ヘルッツオーグ式 トック式 ワーナー式
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