自動連結器設置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 06:43 UTC 版)
「スイス国鉄Re420形電気機関車」の記事における「自動連結器設置」の解説
スイスエクスプレスでは、終端駅での機関車付替え時間の短縮を目的として、旧ソ連で使用されるSA3自動連結器をベースに空気管とオプションで電気回路の連結を可能としたUIC式のAK69e自動連結器を採用することとなり、試作として一次量産機のRe4/4II 11155号機に必要な対応する改造を実施の上、自動連結器を設置している。なお、11155号機は実際にはスイスエクスプレス塗装には変更されず、緑色塗装のままとされていた。 試作機および1次量産機では大型化した連結器に対応するため台枠端梁を前方へ片側255 mmずつ延長するとともに、通常全長650 mmの緩衝器を基部を延長して705 mmとしており、通常機では台枠端梁が車体前面より若干後方へ下がっているものが、改造機は車体前面より台枠端梁が張り出す形態となっているのが特徴である。この台枠端梁の延長と大型の連結器の設置により、通常試作機では全長14800 mm、台枠長13500 mm、1次量産機では全長14900 mm、台枠長13600 mmである最大寸法が全長16030 mm、連結面間長15570 mm、台枠長14110 mmとなっている。 運転室延長型である2次量産機以降では台枠を延長改造しなくても緩衝器基部の延長のみで自動連結器の設置が可能で、通常全長15410 mmである最大寸法が、改造時には全長16030 mm、連結面間長15570 mmとなるほか、Re4/4II 11220号機以降は連結器のフック取付部に自動連結器を取付けられるよう準備工事がなされ、基部を延長した緩衝器が予め設置されている。 スイスエクスプレスの運行に当たっては試作機の11103、11106号機と、一次量産機の11108、11109、11112、11113、11133、11141号機の計8機が塗装変更および自動連結器搭載改造を実施しているが、1982年のスイスエクスプレスの運行終了、インターシティへの置換えに伴って順次通常のフック・リング式の連結器に改造されているが、延長された台枠と緩衝器基部はそのままとされ、全長が15520 mmとなっている。 その後1973年から1981年にかけてゴッタルド線での重連運用の効率化を目的として11155号機と11166号機、11157と11274号機の組合せで片側を自動連結器化して運用試験が行われ、実用化はされずに原形に戻されているが、11157号機のみ緩衝器基部の延長が片側のみとなっており、復元後の全長が15465 mmとなっている。
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