自動車におけるノックダウン生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 10:13 UTC 版)
「ノックダウン生産」の記事における「自動車におけるノックダウン生産」の解説
ノックダウン生産の形態は、 全ての部品を輸送し、現地では組立のみを行う場合 主要部品のみを輸送し、その他は現地で調達する場合 に大別される。自動車産業など、ある国が国策で外国資本による工場を誘致している場合は、当該政府が現地調達率に関する数値目標を設定することが多い。目標数値をクリアするしないで現地で販売するときの税金の設定額が変わってくるため、メーカーは数値目標を達成すべく積極的な現地調達を行うよう誘導される。但し、多くの場合は各自動車メーカーの関連部品会社も進出することで現地調達率を確保することが多く、現地資本の企業の部品が積極的に用いられることは少ない(が、それでもその部品会社も現地で現地の人々を雇用するので、現地の政府から見ると自国民の雇用が生まれるという効果はあり、政治的には正しい判断となる)。 現地調達される場合は板金部品から積極的に適用されることが多い。これは自動車における重量で大きな割合を占めること、現地に金型とプレス機械を設置して日本から現場指導員を派遣することで生産可能と判断されるためである。逆にエレクトロニクス部品や高精度な組立を要求するエンジン本体は現地調達されにくい。 部品の現地調達率以外での分類では、組立作業をどの程度のレベルまで現地で行うかによって、次の2つに大別される。 CKD(コンプリート・ノックダウン、Complete Knock Down) - 車の主要な構成部品を1から組み立てるだけでなく、ボディの塗装やシャーシの溶接など、部品製造以外の複雑な工程をすべて現地で行わせるもの。現地生産工場や人員にある程度以上の技術力が要求される。 SKD(セミ・ノックダウン、Semi Knock Down) - エンジン、足回り、駆動系統など比較的大きな構成部品があらかじめ組立て済み、シャーシやボディなども塗装や溶接済みの状態で輸入され、現地では主要構成部品をボディやシャーシに組み付ける、比較的簡素な組立て作業のみを行うもの。現地生産工場や人員の技術力が発展途上の場合に、このような形態のノックダウン生産が選択される。 この2つのノックダウン生産に対比させる言葉として、CBU(コンプリート・ビルドアップ、Complete Build Up)という言葉が存在する。いわゆる完成車の輸入で、現地での組み立て作業を一切行わずに販売店へと届けられる形態である。
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