膵嚢胞
嚢胞とは,内部に液体をいれた袋状の構造物のことです.膵臓にできる嚢胞は,袋の内側が細胞で覆われている真性嚢胞と,そうでない仮性嚢胞に大きく分けられます. 真性嚢胞には先天性嚢胞や貯留性嚢胞,腫瘍性嚢胞などがありますが非常にまれです.病理検査で診断を確定するためにも手術で取り去ります. 仮性嚢胞は,膵炎や外傷性膵管損傷(おなかを硬いもので強く打ったときに起こります)が原因でできることが多く,膵臓の周囲にできますが,胃の裏側や腎臓の周囲,胸部など膵臓から離れたところにできることもあります.この袋の内容液は膵液で,高い濃度の膵酵素(消化酵素)が含まれていますので,周囲の臓器に対して強い影響を与えます.その結果,嚢胞の中への出血,おなかの中への出血,袋の破裂,感染,周囲にある血管の動脈にこぶを作って血管が破れやすくなる,胸水が貯まるなど,いろいろな合併症をおこすことがあります.絶食と点滴による栄養などの内科的治療を行います.これで20-50%の仮性嚢胞は消失しますが,6週間をすぎても小さくならないときには手術が必要でしょう.手術は嚢胞の内容液を消化管に流すことを目的としています.仮性嚢胞のできている場所に応じて,嚢胞と胃・空腸・十二指腸とつなぎます.膵尾部にあるときには膵尾部切除をすることもあります.また内視鏡や超音波検査,CTを利用して嚢胞と胃をつなぐこともあります. |
図:外傷性仮性膵嚢胞のCT写真.膵臓と主膵管が脊椎との間に挟まれて完全に断裂し(矢印),膵臓の前方にひょうたん型の仮性嚢胞(三角)が形成されています. |
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