肌の色と「人種」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 06:15 UTC 版)
肌の色と人種を関連付けて語ることは人種差別につながりやすいことからデリケートな議論である。 肌の色は実際の居住地域の環境の影響を受けるために、肌の色や風貌によって集団間の遺伝的距離を測ることはできないとされる。しかし実際は同じ緯度でも人種によって濃淡の差異がある。例えばモンゴロイドであるアメリカ先住民は赤道域においてもネグロイドやオーストラロイドほど黒褐色にならない。アボリジニは比較的中緯度においても皮膚色が薄くならない。これらは適応のみならず、皮膚の色が遺伝的にも支配されていることを示唆している。また、現生人類の祖先はネグロイドのような黒褐色の皮膚を持っており、出アフリカ後、ユーラシアにおいてモンゴロイドとコーカソイドが独立に皮膚を白色化させたと考えられ、両人種における肌を白色化させる遺伝子は異なると推定されている。 なお、Felix von Luschan による肌の色のカラーチャートのスケールに対応したフィッツパトリックのスキンタイプが考案されており、それによる肌の色のタイプ分けとおおよその人種区分を下記に示す。 タイプスケール人種区分髪と目の色I 1- 5 北ヨーロッパ系白人 そばかす,赤,茶色,赤褐色,栗,またはブロンドの髪、青,茶色,緑,または灰色の目 II 6-10 西ヨーロッパ系白人 明るいまたは暗い髪、青,緑,ヘーゼル,茶色または灰色の目 III 11-15 中央ヨーロッパ系 茶色の髪、青,緑,ヘーゼル,茶色,またはまれに暗褐色の目 IV 16-21 中東系、南米系 黒から濃い茶色の髪、青,緑,ヘーゼル,茶色または濃い茶色の目 V 22-28 アジア系、ヒスパニック系、アフリカ系黒人 黒い髪、茶色またはヘーゼル色の目 VI 29-36 アフリカ系黒人 黒い髪、濃い茶色の目
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