総合点以外にわかること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/15 23:41 UTC 版)
「長谷川式認知症スケール」の記事における「総合点以外にわかること」の解説
HDS-Rを行うと、以下のようなことがわかる場合もある。 意識、注意 意識レベルや注意集中力を評価できる。課題に対する注意が向けられており、無関係なことに注意が向かないかということである。 態度 診察にふさわしい態度がとれているか、という点である。アルツハイマー型認知症では保たれやすいが、前頭側頭型認知症ではそぐわない場合が多い。 発動性、自発性 ボーッとしているなどは意識・注意の評価となるが、『考え不精』などがあるかどうかも判定する。考え不精は、前頭側頭型認知症や皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺で認められる。 言い繕い 記憶障害をごまかすための言い訳があるかどうか。日付がわからない場合に、「今日は新聞(又はテレビ)を見ていない」といった発言がある場合は、アルツハイマー型認知症を疑う。 依存性 自分が考える前に、付き添いで来た家族の方を向いて代弁を求める仕草をする場合は、アルツハイマー型認知症を疑う。 精神運動スピード 思考緩慢があるかどうかである。皮質下性認知症の特徴であり、血管性認知症・パーキンソン病・進行性核上性麻痺・皮質基底核変性症などで認められる。 記憶 アルツハイマー型認知症では直後再生(作業記憶)は保たれているが、遅延再生の障害が高度となりヒントも有効ではない場合がある。再認課題も障害される。一方、皮質下認知症では注意障害のため、直後再生が障害されることがある。思考緩慢のため遅延再生も障害されるがヒントが有効であり、再認もできることが多い。 語想起 想起のスピード・野菜の種類のサブカテゴリーが保たれているか・想起数が十分かを評価する。アルツハイマー型認知症では、脈絡なく4~5個列挙したあと止まってしまったり、上位カテゴリーで答えることが多い。皮質下認知症では制限時間内に答えることが困難となり、前頭側頭型認知症では途中でやめてしまう。 保続 アルツハイマー型認知症では、レビー小体型認知症より認めやすい。「野菜語想起」の後に「5品の視覚的記銘」と試験の順番を変えると、保続は検出しやすくなる。
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