統制の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:10 UTC 版)
アヘンは多くの国で麻薬の一種としてその製造・販売・販売目的の所持が禁止または規制されている(自己使用を処罰する日本の法制は、比較法的には少数派である)。 日本では麻薬及び向精神薬取締法とあへん法が、アヘンやヘロインの使用、所持等を禁止している。同法により、原料のケシの栽培自体も禁止されている。あへん法にいう「けし」とは、Papaver somniferum L., Papaver setigerum DC. 及びその他のケシ属 (Papaveraceae) の植物であって、厚生労働大臣が指定するものをいい、「あへん」とは、けしの薬汁が凝固したもの及びこれに加工を施したもの(医薬品として加工を施したものを除く。)をいう(同法3条1号、2号)。使う意思がなくとも吸引用具を所持(海外では吸引用具が美術品として取引されているところがある)しているだけでも違法になる。刑法136条~141条でアヘンの製造・輸入・所持・吸煙および吸煙道具の製造・輸入・所持や吸煙場所の提供を禁じており、未遂も処罰される(刑法第2編 第14章「あへん煙に関する罪」)。 現在、モルヒネ用としてのアヘン輸出が国際的に認められている国はインド、日本、中国、北朝鮮だけである。しかし、外国へ輸出が出来るほどの生産量(少なくとも、表のルートで取引されるもの)があるのはインドだけである。また、オーストラリアでも比較的大規模な薬用アヘンの製造が行われているが、国内の需要の一部しか満たせない。その他の国では、少なくとも表向きは大規模なケシ栽培は行われていない。このため、世界の合法的なモルヒネは大半がインド産である。また、必要以上の在庫を保有することが禁じられているため、いかにインドと言えども、何らかの急な需要増加には対処できない。
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