紫の献花
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/13 09:22 UTC 版)
多治見署の刑事部強行犯係の刑事・榊間明彦は取調室で昨年5月に発生した名濃バス株式会社による高速バス衝突事故の被害者で足に障害を負った樫山有希と対峙していた。名濃バスの運行管理係だった高瀬昭文が自宅で刃物で刺された状態で死亡していたのだが、高瀬には家族がいないにも関わらず、事故後名濃バスを退職した直後に生命保険に加入しており、その受取人が樫山有希になっていたのである。しかし樫山は高瀬とは全く面識がな無いし、ましてやもしそこまで恨むとしても、運行係の高瀬ではなく廃業して民事でも責任をとらなかった元社長の菅谷の方だと主張する。その時、警視庁捜査一課から犬養がやってきて、あのバス事故の裏には実は高瀬の殺人教唆があったのだと話す。 榊間 明彦(さかきま あきひこ) 多治見署の強行犯係になって3年目の刑事。 高瀬 昭文(たかせ あきふみ) 妻と娘を亡くし、2LDKの平屋一戸建ての部屋で独り暮らしだったが、左脇腹後ろに包丁が突き刺さった状態で死亡していた。67歳。瓜実顔で彫りが深い。「赤い水」で勤めていた名濃バスで運行管理係として勤めていたが、事故により名濃バスが昨年7月に廃業に追い込まれたため、2か月の就職活動を経て8か月前に織部タクシーに転職し、配車係を務めていた。仕事は有能でミスがなく、性格も温和で実直。 礼島(れいしま) 個人経営の小さな会社・織部タクシーの社長。 菅谷 豪志(すがや たけし) 名濃バスの元社長。民事で訴えられていたが、「名濃バス」を廃業させて逃げ、翌週には弟が代表取締役である「菅谷ツアーズ」というバス会社に入社した。赤ら顔ででっぷりと太っている。 樫山 有希(かしやま ゆき) 20代女性。中学・高校と陸上部でスプリンターを目指して体育大学に進学し、オリンピックの強化選手となっていたが、1年前の5月に起こった名濃バス事故により右足が砕け、選手としては再起不能となり、今でも右足を引きずって歩いている。大学は中退し、今は故郷である多治見に戻って就職活動をしている。
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