筆名と作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 22:39 UTC 版)
「コードウェイナー・スミス」の記事における「筆名と作品」の解説
本名でも著作活動を行っており、そのうち『心理戦争』(原題:Psychological Warfare)がみすず書房から須磨弥吉郎により翻訳刊行されている(1953年)。 別名にKarloman Jungahrなど多数。中国名である「林白楽」は、それを元にしたフェリックス・C・フォレストという名前でSFとはまったく関係のない作品を発表している(1947年の「Ria」、1948年の「Carola」)。 アンソニー・ビアデンという名前で詩の創作も行い、またカーマイクル・スミスという筆名でスパイ小説を書いている(1949年、「Atomsk: A Novel of Suspense」)。最も有名な筆名は、このカーマイクル・スミスを変形させたものらしい。 フェリックス・C・フォレスト名義で書かれたものは、女性の一人称視点で語る実験的な作品で、当初彼は女性名義で出版しようと試みたが、当時は受け容れられなかったために自身の中国名をベースとしたこの名での出版となったらしい。この作品で注目されたものの、そこで読者と直接に会い、それを意識したためか却って同種の作品を書けなくなった彼は、その後は正体を隠すことにした。それが仮面の作家コードウェイナー・スミスの始まりである(1950年、短編「スキャナーに生きがいはない」でSF作家「コードウェイナー・スミス」としてデビュー)。 中国名である林白楽は、「ラインバーガー」の読みとして、孫文がつけたものである。このつながりは、彼の父(Paul M. W. Linebarger、中国名は「林百克」)が孫文の法律顧問を務めており、辛亥革命にも参加したことに由来する(なお、父の著書『孫文と支那革命』も1929年に平凡社から日本語訳されている)。父に連れられて少年時代を東洋で過ごしたことの影響か、東洋思想にも造詣が深く、それは幾つもの作品に反映されてもいる。 スミスを語る際に、猫を抜きにして語ることはできない。数本の共作を成した妻ジュヌイーヴと共に暮らした家には常に何匹もの猫が飼われており、作中では何度も重要な役割を与えられている。
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