第10巻「青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 05:06 UTC 版)
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大学生になって約半年が経ち、咲太は新たな人間関係を作りつつ、同じ大学に通う麻衣と交際を続け、バイト先が同じな理央や朋絵とも友人として接し続けるという、思春期症候群に巻き込まれることもない新しくも穏やかな日々を過ごしていた。だが、咲太と同じ大学に通うことになった広川卯月の様子が突然変わった。いつもマイペースで天然、テンションが高いことで知られる彼女が、突如「空気を読んで」相手の顔色をうかがい、自分を周囲に合わせるようになった。違和感を覚える咲太やのどかをよそに、他の学生は彼女の変化に気がつかない。同時に「空気が読める」ようになった卯月は「私も、みんなに笑われてたんだ」と、空気の読めない自分が周囲からどのように見られていたかに気がつく。同時に卯月の出演していたCMが話題となり、彼女のソロデビューやスイートバレットからの卒業が囁かれるようになる。 同じ大学に通うのどかと、卯月のことを話しつつ共に通学する途中で咲太は、大学から離れていこうとする電車に乗る、虚ろな表情の卯月を発見。咄嗟のことに追いつけないのどかを置いて、咲太は卯月を追いかけ三崎口までついて行く。2人は三浦半島を散策し、卯月は「スイートバレットで武道館を目指す」という目標の達成が難しいと感じるようになった胸中を吐露する。 その週末麻衣と共に、お台場で行われたスイートバレットのライブを見に訪れた咲太だったが、ライブの最中、突然卯月の声が出なくなってしまう。他のメンバーにフォローされ、かろうじてその日のライブを乗り切った皆だったが、ライブは翌日にも控えていた。八景島で行われた野外ライブに、卯月抜きの4人で行われることになったスイートバレットのライブをひとり見に訪れた咲太は、観客の中に卯月を発見。彼女はもう声が出せるようになっていることを見抜いて話しかける。武道館を目指して楽天的に皆を引っ張っていた卯月だったが、自分の中に、報われない努力をするスイートバレットのメンバーを嘲る心があったことに気づいて罪悪感を抱き、ステージに上がることを躊躇する。だが、降雨と機材トラブルに見舞われながらも舞台に立つスイートバレットのメンバーを見て、咲太に背中を押されステージへと上がった。卯月はステージにて、ソロデビューすることと同時に、スイートバレットも卒業せず武道館を目指すことを宣言した。 八景島でのライブの翌日となる10月24日、大学に登校した咲太は、退学届を提出したという卯月と会う。卯月は統計科学学部に入学した理由を咲太に告げ、そんな卯月に咲太は「卒業おめでとう」と言って送り出した。直後咲太は、季節外れのサンタクロースに扮しているが、咲太以外の誰にも認識されていない女性を目撃して、話しかけられる。彼女は霧島透子と名乗った。
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