種の下位分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:37 UTC 版)
研究の積み上げが進んだ中から、現実的には種に分けてことが済まない場合が多々見つかる。たとえば同種内とは考えられるものの、はっきりと差のある群が発見され、種以下の分類を考える必要が生じ、亜種や変種、品種などの階級が作られた。例えば異なる地域に分布する集団からなる種では、種の内部で異なる形態的特徴を持つ地域集団が存在することがある。これを亜種と呼ぶ。日本列島に棲息する大型哺乳類の多くは、大陸産の同種とは異なる亜種として分類されている。ただし、亜種と認定される基準は必ずしも客観的でない場合がある。 品種は作物や家畜などの人間が飼育した生物の中で、他の生物集団より区別できる生物集団を指す。ハイブリッド品種など、ある品種の子孫が親と同じ品種とされないことも多い。 なお、人種は形態学的な特徴の中でも毛髪、目、皮膚の色、骨格など外部から容易に観察できる形質によってヒトという種を下位分類する概念である。現生する全ての人種を含む現生人類はヒト科ヒト亜科ヒト属のホモ・サピエンスただ一種である。ただし古人類学は化石人類にホモ・サピエンス以外の種をいくつか認めている。異人種間での生殖隔離が見られないこと、異人種間にみられる遺伝情報の多様性よりも人種内の遺伝情報の多様性の方が高いこと、また人種差別への懸念から、生物学的な文脈では人種の有効性は極めて限定的だとされている。
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