科学的な目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 00:45 UTC 版)
太陽系形成期において、形成された惑星はその内部が溶け、比重の大きい金属が中心部に蓄積する。このようにして起こる惑星内部の分化は、小惑星や地球型惑星の形成にとって非常に重要な過程である。惑星の核を観測することで、この分化の過程に関する理解を大きく進めることができる。サイキは、小惑星プシケの地質、形状、組成、磁場、そして質量分布を明らかにすることで、惑星の形成についての理解を増大させることを目指している。 特に重要な科学目標は、以下のとおり。 これまで探査されたことのない惑星の材料、鉄コアを理解する。 惑星内部の分化によって作られた、岩石惑星の中心核と同じ性質を持つ天体を直接観測する。 金属でできた未踏の世界を探査する。 科学的な目的は、以下のとおり。 小惑星プシケが原始惑星の中心核であったのか、溶融を経験していない物質であるのかを見分ける。 小惑星プシケの表面の相対的な年齢を決定する。 金属でできた小天体が、地球の高圧の中心核に見られる物質と同じものであるかどうかを見分ける。 小惑星プシケが形成された環境が、酸化的だったのか還元的だったのかを見分ける。 小惑星プシケの地形を調べる。 サイキミッションで解決を目指す疑問点は、以下のようなものである。 小惑星プシケは、分化された原始惑星から地殻がはがされたものなのか、あるいはそもそも金属が豊富な天体として生まれたのか。太陽の近傍で形成された原始惑星は、他の場所で作られた原始惑星と異なる組成を持っているのか。 小惑星プシケのマントルがはがされたのであれば、それはいつ、どのようにして起きたのか。 小惑星プシケは、過去に溶融していたのか。固化は内側から始まったのか、外側から始まったのか。 小惑星プシケは、冷えて固まるまでの間にダイナモ効果を持っていたのか。 小惑星プシケには、鉄以外にどのような物質が存在しているのか。 小惑星プシケの地質や地形における特徴とは何か。岩石天体や氷天体とどのような違いがあるのか。 金属天体のクレーターは、岩石天体や氷天体のクレーターとどのように違うのか。
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