福知山盆地内
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:40 UTC 版)
盆地内を中心に少量で限られた地域ではあるが、淡水に住む貝の貝殻の化石が出土している。貝殻の種類に加えその分布などから、2〜30万年前の氷河期には福知山盆地内全てが湖あるいは沼の底であったと考えられている。この湖(沼)は福知山湖と呼ばれる。また、各河川流域の調査から、かつて由良川は土師川(竹田川)を介して加古川につながり南下していたと考えられる。これらから、地形の沈降により南下の流れが止まったことで盆地一帯は湖沼を形成、さらなる変化により日本海側への流路ができると湖沼の水位は下がりやがて消滅、現在の市内を流れる由良川、土師川、牧川などに変化していった、という経緯が考えられている。盆地内の河川勾配が非常に緩く、出口付近がボトルネックとなって大雨時に停滞し度々洪水を引き起こす(参照)というのは、こういう形成履歴を持つためであろうと考えられる。また、これらの名残としては、由良川上流域に当たる船井郡京丹波町安栖里(あせり)周辺の4段にもなる大規模な河岸段丘の存在、市内の長田野(おさだの)の高位段丘面を持つ洪積台地の存在などがある。 また、羽合の丘陵地や長田野台地には、福知山層とよばれる砂と泥と礫(れき)で構成される地層を見ることができる。その名のとおり福知山を特徴付ける地層であり、近畿地方の山間盆地埋積層を特徴づける学術上価値を持つ。しかし宅地開発が進む中、この地層の存在は危うくなっており京都府レッドデータブックに登録されている。
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