福島第二3号機再循環ポンプ損傷事故の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:31 UTC 版)
「福島第一原子力発電所」の記事における「福島第二3号機再循環ポンプ損傷事故の影響」の解説
1989年1月、福島第二原子力発電所3号機にて再循環ポンプに異常振動が発生し、同機は最終的に運転を停止した。その後の調査で、水中軸受リングと呼ばれる部品が破損し、周辺部品の破片と共に炉内を循環していたことが明らかとなった。ほぼ同一の設計は本発電所の再循環ポンプにも見られたことなどから、東京電力は再発防止策として下記4点を実施、県と地元町も立入り調査を実施した。 水中軸受の改善 運転マニュアルの見直し 異常兆候に対する対応の強化 安全管理の徹底 なおこの頃になると日本の原子力発電は品質管理の徹底を重ねてシステムとしての信頼性を高めてきたという認識が原子力を容認する者の中で当然視される風潮があったが、『原通』(2805号)はこの事故の対応を取り上げた際、近畿大学原子力研究所の柴田俊一の「過去に起こった原子力事故をみると、いつも新しいパターンで起きている。(中略)原子力発電については本格化してから、たかだか30年位のものであるし、これで新しいパターンの現象がもう出てこないとは言い切れない。やはり新しいパターンは出るかも知れないという緊張感だけは失ってはならない。」というコメントを引用し、品質管理・マニュアル偏重の姿勢に警鐘を鳴らしている。 下記に述べる強化ベント検討の件はこの再循環ポンプ事故対応、信頼回復策を取っていた時期と期間が重複している。
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