社会統合の進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 06:16 UTC 版)
エストニア国内のロシア人のエストニア語能力に関する自己評価 (%) まあまあ / よくできる まったくできない 1997年:エストニア国籍 62 15 1997年:無国籍 23 37 1997年:ロシア国籍 23 40 2000年:エストニア国籍 72 10 2000年:無国籍 29 34 2000年:ロシア国籍 16 50 2002年:エストニア国籍 66 10 2002年:無国籍 33 29 2002年:ロシア国籍 16 61 2005年:エストニア国籍 71 12 2005年:無国籍 25 26 2005年:ロシア国籍 5 51 ロシア人の統合に向けた取組みの結果、エストニア語能力を有するロシア人の割合は1989年の15パーセントから2005年には42パーセントに上昇し、若年層のエストニア語能力が向上した。同時期には地方自治体の10-12パーセントが作業言語としてロシア語を使用していたが、この割合はロシア人の人口比を下回っている。一方、同年に至ってもタリンのロシア人のうち16パーセントが、ナルヴァのロシア人のうち62パーセントがエストニア語能力を有さないままであった。しかし、2000年代に入るとナルヴァにも初等・中等1校ずつのエストニア語学校が開校し、調査でも住民たちのほとんどが「エストニア語で子供に教育を受けさせたい」と回答している。 同時期の調査ではロシア国籍者(英語版)のエストニア語能力に低下がみられるが、これは彼らがエストニア語の使用機会の限られる北東部に集住し、またその大部分(2000年の時点で60パーセント)が年金生活者であるなど、高齢化が進んでいることが理由とされる。無国籍者にはロシア国籍者よりも高い向上がみられ、彼らが日常生活・就職あるいは帰化のためにエストニア語能力を必要としていることを示唆している。独立回復後、ロシア国籍者の28パーセントがエストニア語を学習し、69パーセントがまったく何もしていないと回答するのに対し、無国籍者はその約半数がエストニア語を学習していると回答している。また、帰化者の58パーセントは国籍取得後もエストニア語学習を継続している。 2008年から2017年までの間に、ロシア人がエストニア語を話すことは相互信頼に繋がると考える者の割合は、エストニア人で53パーセントから77パーセントへ、非エストニア人で29パーセントから64パーセントへと高まった。エストニア語能力を持つ者ならばその民族は問題ではない、と考えるエストニア人の割合も、24パーセントから66パーセントへ上昇した。その一方、エストニア語を身につければ非エストニア人でもよい職に就けると考える者の割合は、エストニア人が59パーセントから74パーセントへ増加する反面、非エストニア人では80パーセントから61パーセントへと減少している。
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