硝酸水銀(II)
硝酸水銀(II)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/06/20 14:18 UTC 版)
硝酸水銀(II) Mercury(II) nitrate |
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Mercury dinitrate
Mercury(II) nitrate |
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別称
硝酸第二水銀
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 10045-94-0(無水物) ![]() 7783-34-8 (一水和物) |
EINECS | 233-152-3 |
国連番号 | 1625 |
RTECS番号 | OW8225000 |
特性 | |
化学式 | Hg(NO3)2 |
モル質量 | 324.7 g/mol |
外観 | 無色の結晶ないし白色の粉末 |
密度 | 4.3 g/cm3 (一水和物) |
融点 |
79 ℃ (一水和物) |
水への溶解度 | 可溶 |
溶解度 | 硝酸に可溶 アルコールに不溶 |
危険性 | |
MSDS | ICSC 0980 |
EU Index | 080-002-00-6 |
EU分類 | 強毒性 (T+) 環境に対する危険性 (N) |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R26/27/28, R33, R50/53 |
Sフレーズ | (S1/2), S13, S28, S45, S60, S61 |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 硫酸水銀(II) 塩化水銀(II) |
その他の陽イオン | 硝酸亜鉛 硝酸カドミウム |
関連物質 | 硝酸水銀(I) |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
硝酸水銀(II)(しょうさんすいぎん(II)、英: Mercury(II) nitrate)は水銀の硝酸塩で、化学式Hg(NO3)2で表される無機化合物。
性質
熱した濃硝酸と水銀との反応で得ることができる。吸湿性があり、加水分解する。また光により分解するため、乾燥した冷暗所で保管する。無水物と水和物があり、通常は一水和物として流通している。かつては毛皮やフェルト製造時の処理に使用されたが、毒性と環境への影響が強いため使用されなくなった。
安全性
日本の毒物及び劇物取締法では毒物に分類される。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は26mg/kg、皮膚からも吸収されやすく、ラットに経皮投与した場合のLD50は75mg/kgである。眼、皮膚、気道への腐食性がある。摂取した場合は特に腎臓や神経系への影響が大きい。
これ自体は不燃性であるが、酸化剤であり周囲での燃焼を助長する。加熱による分解で腐食性・毒性のある煙霧を生じることがある。ホスフィン酸、エタノール、アセチレンとの反応により、衝撃に敏感な化合物を生成する[1][2]。
脚注
- ^ 国際化学物質安全性カード
- ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)
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