研究と特許
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/13 16:02 UTC 版)
海軍用および外務省から受託された暗号機の開発、製造、改造は海軍技術研究所の電気研究部が一括担当し、修理は海軍工廠が担当した。 海軍技術研究所で発行された田辺、鈴木技師らの報告論文は、その所在が不明である。 欧文タイプライター式暗号機 欧文タイプライターを利用した第一回試作品で、動力には蓄音機に用いるゼンマイを利用した。研究報告には「欧文タイプライター式暗号機試製研究報告」、田辺、昭和4年6月がある。 試製電気式暗号機 昭和5年に完成。欧文タイプライター式暗号器の改良型。動力をゼンマイから電磁石に変更した。 暗号構成器 昭和5年に完成。邦文タイプライターにおいて一字毎に活字を拾う位置を変更する機構。秘密特許「活字選択式暗号装置」、特許番号962060号を昭和7年に取得した。 羅馬字式暗号器(欧文タイプライター式) 試製電気式暗号機の改良型で、昭和7年の国際連盟主催のジュネーブ軍縮会議用に計24台を製造。外務省および陸海軍が使用した。研究報告には「羅馬字暗号機研究報告」、田辺、昭和7年3月がある。 九一式印字機(欧文タイプライター式暗号機の改名) 海軍に制式採用された暗号機で昭和7年に製造開始。陸上部隊用の一型は邦文タイプ。二型も邦文だが、装置を3分割して動揺対策を施すことで小型艦船用とした。三型は海外で使用する欧文タイプで海外電報料金の低減を計るために二重式(母音と子音を分離して換字する機構)とした(レッド暗号の安全性の項目を参照)。研究報告には「九一式印字機I型実験報告」、田辺・鈴木、昭和7年7月がある。
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