相続権の差別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 20:52 UTC 版)
「ネパールにおける女性の人権」の記事における「相続権の差別」の解説
かつてネパールの法律「ムルキー・アイン」13条16項には、「未婚のまま35歳に達した娘は、息子と同等の相続分与を受けることができる。但し相続分与を受けた後、結婚あるいは駆け落ちした場合は、法に定める婚姻費用を除いた残りの財産は返還され、他の相続権のあるものに分与される。また、相続した財産のうち、不動産については、全体の半分以上を処分する場合、父親か兄弟の承認を必要とする」という文面があった。これを1995年秋、女性・法律・開発会議の協力の下、70人の弁護士が、1990年に制定されたネパール憲法11条「平等権」に違憲であるとして改正を主張した。弁護士は憲法131条の「憲法に違反している法律は1年以内に廃止されている」を持ち出して、「ムルキー・アインにある女性を差別するすべての法律はすべて無効化されている」と主張した。 これを受け、ネパール最高裁判所はダイジョ(持参金)の名目で財産分与を受けられる規定があると述べ、無効ではないとしたが、弁護士団は反発。1年以内に男女差別を含む法律を廃止するよう求めた。最高裁の命令に反発したNGO団体はLACCの主導の下、「男女の財産分与を平等にすること、配偶者も互いに半分の財産分与を受けられるようにすること」という法案を出したが、3年以上可決されなかった。現在では改正されている。
※この「相続権の差別」の解説は、「ネパールにおける女性の人権」の解説の一部です。
「相続権の差別」を含む「ネパールにおける女性の人権」の記事については、「ネパールにおける女性の人権」の概要を参照ください。
- 相続権の差別のページへのリンク